賃貸物件は、退去する際に部屋を入居したときの状態に戻す「原状回復」が義務付けられています。
しかし、日常生活を送るうえで自然についてしまう日焼けや劣化に関してはその対象ではありません。
そのため、どこまでが原状回復の対象となるのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、賃貸物件の壁に対する原状回復義務とは何か、対象となる範囲について解説します。
賃貸物件の壁にできた画鋲の穴は原状回復の対象？
ポスターやカレンダーを貼ったり、時計をかけたりするために、画鋲を使用せざるを得ないときもあります。
国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、原状回復とは賃借人の故意や過失、善管注意義務違反、通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することです。
そのため、入居者が普通の生活を送るうえで発生する損傷は、原状回復の対象にはなりません。
ポスターやカレンダーを貼る行為は通常の生活においておこなわれる範疇とされているため、画鋲などの穴は通常の損耗として扱われるのです。
ただし、飾り棚を取り付けたり重いものを引っ掛けるために使用したねじや釘の穴については通常の使用範囲を超えると判断され、原状回復の対象となるケースがあります。
カレンダーの日焼けや冷蔵庫の跡は原状回復の対象になる？
ポスターやカレンダーを長期間貼ったまま壁紙が日焼けすると、日焼け跡が残ります。
しかし、日照などの自然現象が原因のため、こういった日焼け跡についても原状回復義務の対象ではありません。
また、テレビや冷蔵庫などの後部壁面が黒ずんでしまうこともありますが、こういった跡も通常の使い方をしていても自然にできてしまう汚れのため、原状回復の対象にはならないのです。
タバコを吸ったことによる壁の汚れは原状回復の対象？
室内でタバコを吸うと、壁や天井に黄ばみが染みついてしまいます。
また、長期的にタバコを吸い続けると、室内ににおいが染みついてしまいます。
タバコによる汚れやにおいが深刻な場合、広範囲の壁紙や天井を張り替えなければなりません。
タバコは、日常生活を送るうえで必ずなければならないものとは認められておらず、そのため「通常を超えた使用による消耗」と判断されるケースがほとんどです。
この場合、原状回復費用は基本的に入居者が負担する必要があります。
しかし、壁紙は経年劣化によっても汚れたり傷んだりすることがあります。
そのため、入居期間が長ければ長いほど、経年劣化によって傷んだ分については考慮してもらえるケースも珍しくありません。
まとめ
賃貸物件には原状回復義務がありますが、画鋲の穴や壁紙の日焼け・家電による壁紙の汚れは対象とならないケースがほとんどです。
しかし場合によっては、原状回復費用を請求される可能性があるので、これから引っ越しを検討されている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
登戸の賃貸マンションなど不動産をお探しなら、有限会社大堂にお任せください。
お客様一人ひとりに寄り添い、住まい選びをサポートさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
弊社へのお問い合わせはこちらをクリック↓
