賃貸物件契約をする際に賃貸借契約書に署名と捺印をしますが、その際の印鑑に、いわゆる「シヤチハタ印」を使ってはいけないことをご存じでしょうか。
今回は、なぜ賃貸借契約書にシヤチハタ印を使ってはダメなのか、その理由を解説したうえで実印の必要性についても説明しますのでスムーズに賃貸契約を済ませたい方もぜひ目を通してみてください。
賃貸借契約書にシヤチハタ印で捺印するのはダメ!その理由は?
インクが本体に内蔵されたハンコ、いわゆる「シヤチハタ印(ネーム印)」は、書類や回覧板の確認印、荷物の受取印などに使える便利なハンコですが、いくら便利でもこのシヤチハタ印は、賃貸借契約書をはじめとした「契約締結に関する書類」に使うことはできません。
なぜシヤチハタ印を賃貸借契約書などの契約書類に使うことがダメなのか、そのおもな理由としては以下のようなものが挙げられます。
大量生産されるものなので、同一印影のものが楽に手に入る=悪用されやすい
長く使用しているうちにゴムの傷みやインクのにじみが発生して当初とは印影が変化してしまうこともある
ゴムがやわらかい分、押印した時点で印影にゆがみが生じていることも少なくない
「そうはいっても便利だし、こっそり押せばわからないだろう」と思って賃貸借契約書に無理やりシヤチハタ印を使ったとしても、プロならインクの種類や印影を見れば一発でシヤチハタ印だと見抜きます。
無理にシヤチハタ印を使うことは「二度手間」という結果を生むだけですので最初から使わないようにしましょう。
賃貸借契約書に使う印鑑は、実印が好ましいです。
シヤチハタ印がダメな賃貸借契約書には実印を使うのがおすすめ!
賃貸借契約書にシヤチハタ印を使うことはできませんが、ではどんな印鑑が使えるのかというと…実印が一番おすすめです。
賃貸借契約書に使える印鑑としては実印と認印が挙げられますが、ここで注意しなければいけないのは「すべての不動産会社が、認印での賃貸借契約捺印を認めているわけではない」ということです。
不動産会社によっては実印の捺印を指定することもありますし、何より「偽造・悪用されにくく、印鑑の中でもっとも信用度が高い」という点で、契約者を守る意味でも実印を使うほうがおすすめなのです。
あと余談ですが、「賃貸借契約を自分が締結する」というのではなく「家族などが締結する賃貸借契約の連帯保証人になる」という場合は、認印の使用は一切認められず、実印および印鑑証明書が必要ですよ。